【前回の記事を読む】女は「トイレに行きたくなった、ちょっと荷物を見ていて」と有無を言わさず彼女の胸に押し付けて、ホールの奥に慌ただしく姿を消した。忠司はそれも理屈に合っていると思い、同意した。彼自身イタリアは初めてだ。花の聖母大聖堂(ドゥオーモ)の入り口は九月に入っても観光客で長蛇の列だった。この聖堂が〝花の聖母〟と名付けられたのは当時のイタリアばかりかヨーロッパの経済、文化、芸術がフィレンツェ…
[連載]ザ・キュレーター
-
小説『ザ・キュレーター』【第4回】そのこ+W
新婚旅行でイタリア・フィレンツェへ。ジオットの塔から町を一望した妻は、「案外小さな町なのね」と…
-
小説『ザ・キュレーター』【第3回】そのこ+W
女は「トイレに行きたくなった、ちょっと荷物を見ていて」と有無を言わさず彼女の胸に押し付けて、ホールの奥に慌ただしく姿を消した。
-
小説『ザ・キュレーター』【第2回】そのこ+W
やっと叶った新婚旅行。しかし彼らの隣に座った一人の女性との出会いによって今回の旅が一変することに…
-
小説『ザ・キュレーター』【新連載】そのこ+W
レオナルド・ダ・ヴィンチの生家があるイタリアのヴィンチ村。レオナルドの父は若い頃この村に住み公証人をしていて…