【前回の記事を読む】「この楽器は何故こんなに乱雑なんだね」癖のある教師に見つかった。直線を愛し、全てが直角、直線に揃わないと気がすまないらしい。五月だった。家々のツツジや牡丹が咲き揃っている中を、朋は登校のために坂道を降っていた。坂の下の大浦石橋(おおうらいしばし)の停留所から電車に乗って諏訪神社で降りる。道の両側から、盛りのツツジが馨(かぐわ)しく匂っていて、生垣の上から覗くボタンの花が、青空…
[連載]しあわせについて
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小説『しあわせについて』【第9回】杉野 六左衛門
小声で練習していると父に「変な歌だ」と言われた。父には分かるわけがないと放っておいたが、その日以来…
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小説『しあわせについて』【第8回】杉野 六左衛門
「この楽器は何故こんなに乱雑なんだね」癖のある教師に見つかった。直線を愛し、全てが直角、直線に揃わないと気がすまないらしい。
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小説『しあわせについて』【第7回】杉野 六左衛門
戦時下で非国民あつかいの牧師の娘、嫌われている取り締まり警察官の娘、そして新参者の自分。“あまされ者”たちが集められ…
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小説『しあわせについて』【第6回】杉野 六左衛門
「午後3時過ぎの少し赤味がかった黄色」で歌声を重ねる──先生の指導のおかげで音楽が出来上がっていく様子を初めて経験した
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小説『しあわせについて』【第5回】杉野 六左衛門
定規で五本の平行線を引き、オタマジャクシを一つ一つ写す。市販の五線紙は高価で、このころは手に入れにくくなっていた。
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小説『しあわせについて』【第4回】杉野 六左衛門
戦争の役に立つから、合唱部は存続をゆるされた。―学校生活が戦争に染まり、体育系の部活でさえコートが畑になり休部する中…
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小説『しあわせについて』【第3回】杉野 六左衛門
軍需工場へ勤労動員に出ている二年生に代わって、特別に三年生が一年生を指導をするという。
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小説『しあわせについて』【第2回】杉野 六左衛門
「三つの歌声の調和がこんなに美しいとは…」初めて本式の女声三部合唱を聴き胸が震えた
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小説『しあわせについて』【新連載】杉野 六左衛門
家族はみんな忙しくて、姉ちゃんは私に無関心。だから育ての親は、ばあちゃんだった。綺麗で優しくて、私は大好きだった。