【前回の記事を読む】軍需工場へ勤労動員に出ている二年生に代わって、特別に三年生が一年生を指導をするという。歌唱の指導は佐々木(ささき)先生が行う。「十二小節から入ってくるメッゾは、もう少し小さく、レガートで」と先生が指示した。「メッゾってなに?」朋は隣に立っているミサちゃんに聞いてみた。「メゾ(mezzo)・ソプラノのことよ。イタリア語の正しい発音だとメッゾなんだって先生が言ってた。メッゾなんて…
[連載]しあわせについて
-
小説『しあわせについて』【第4回】杉野 六左衛門
戦争の役に立つから、合唱部は存続をゆるされた。―学校生活が戦争に染まり、体育系の部活でさえコートが畑になり休部する中…
-
小説『しあわせについて』【第3回】杉野 六左衛門
軍需工場へ勤労動員に出ている二年生に代わって、特別に三年生が一年生を指導をするという。
-
小説『しあわせについて』【第2回】杉野 六左衛門
「三つの歌声の調和がこんなに美しいとは…」初めて本式の女声三部合唱を聴き胸が震えた
-
小説『しあわせについて』【新連載】杉野 六左衛門
家族はみんな忙しくて、姉ちゃんは私に無関心。だから育ての親は、ばあちゃんだった。綺麗で優しくて、私は大好きだった。