二人には八人の娘がいたが、毎年この時期になると山奥から八岐大蛇(やまたのおろち)がやってきて娘を一人ずつ呑み込みに来るという。これまですでに七人の娘が犠牲になり、もうすぐこの最後の娘も八岐大蛇に呑み込まれる時期なのだという。それが悲しくて三人で泣いていたのだという。八岐大蛇は、体は一つだが頭と尾は八つに分かれており、目はまるでほおずきのように真っ赤で、体には苔がむし杉や檜が生えている。長さは八つ…
[連載]タケル
-
小説『タケル』【第5回】中村 東樹
須佐之男命は大蛇の上に飛び乗り、急所を突きずたずたに切り裂いた。体からは続々と血があふれ出し、斐伊川は真っ赤に染まったという。
-
小説『タケル』【第4回】中村 東樹
【日本神話】日の神・天照大御神の岩戸隠れ。「あなた様よりも素晴らしい神様が現れた」と踊り唄う神々を見た天照大御神は…
-
小説『タケル』【第3回】中村 東樹
【日本神話】立派な大人。なのに仕事もせず、朝から晩まで大声でワーワー泣いているだけ。理由は「母に会いたい」から!?
-
小説『タケル』【第2回】中村 東樹
大王の愚かな息子がヤマトを治め、一つにまとめ上げる? 長老が見た、新たな統治者の姿
-
小説『タケル』【新連載】中村 東樹
長老は自分の未来に関してなんと予言するのだろう…人気のない獣道を進み洞窟へたどり着く