そのころの『いち福』はゆべしをつくる量も増え、個人経営でやっていた仕事は子どもたちが手伝いをすることも多くなっていた。姉は楽しみながら手伝っていたが、私の場合は毎回もらえる100円の手伝い賃のためにやっていた。さきほどから話をしているゆべしとは、柚子やくるみなどを使ってつくられる和菓子のことで、『いち福』では西日本で主流とされる柚子の菓子ではなくくるみの入った餅菓子をつくっていた。父がゆべしをつ…
新着記事一覧
-
小説『いち福』【第5回】岩間 隆司
和菓子屋なのに、酒飲みで辛党な父の「お菓子づくりの基準」
-
小説『六月のイカロス』【第5回】濱岡 稔
【小説】「謎の人」ミュウとの関係が、学校中の噂になり…
-
小説『ひまわり変奏曲』【新連載】小島 史
【小説】愛の鞭・スパルタ式レッスンを耐え抜き、ついに発表会
-
エッセイ『山心は自粛できない』【第7回】吉田 賢憲
北海道「十勝岳」噴火の音を聞き、よみがえった戦争の記憶…
-
小説『愛は楔に打たれ』【第10回】青石 蓮南
「自分だけB型なんてあり得るのか?」蓮は家族に訊けずに…
-
小説『夢花一輪』【第7回】吉成 大四郎
【時代小説】世阿弥が出家…「能楽」の継承者はいったい誰に?
-
小説『夫 失格』【第29回】時亘 一肇
「許してください」不倫夫からのメール…女々しい文章に辟易
-
エッセイ『GLO・秋の読書フェア』【『ママ、遺書かきました』第13回】波留 雅子
肉じゃがカレーに鍋…アイデア次第で、家事はもっと楽しくなる
-
エッセイ『腐ったみかんが医者になった日』【第7回】河原 風子
喘息持ちの小学生に突然、激怒…女医が発した言葉に衝撃
-
小説『夫 失格』【第28回】時亘 一肇
不倫した夫のメール「誰よりも愛しています♥」妻絶句
-
小説『GLO・秋の読書フェア』【『マダム・モネの肖像』第10回】松井 亜樹
【秋の読書フェア】ついに両親に絵のモデルをしていると告白
-
小説『青の森に夢はたゆたう』【『青の森に夢はたゆたう』第2回】橉間 和佳
【小説】気の合う友人が見つかり、上出来の大学生活スタート
-
健康・暮らし・子育て『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』【第5回】近藤 靖子
原因、治療法はいまだ研究中「アルツハイマー型認知症」の実際
-
俳句・短歌『歌集 星あかり』【第70回】上條 草雨
歌集「星あかり」より三首
-
エッセイ『日本人教師が見たオーストラリアの学校 コアラの国の教育レシピ』【第3回】本柳 とみ子
ヘリコプターで登校も!「オーストラリア」の通学事情に驚愕
-
エッセイ『ALS―天国への寄り道―』【第5回】島崎 二郎
妻「毛布一枚すら重い…」医師に告げられた衝撃の診断結果は
-
健康・暮らし・子育て『作業を基盤に、我々の健康と幸福を考える「作業的写真」プロジェクトとは』【第5回】小田原 悦子
自粛の日々にうんざり…コロナ禍でも充実した日常を送る方法
-
エッセイ『先生の塾に入ったら、東大行けますか?』【第6回】小林 厚詞
東大合格者を見てきた塾講師が語る、「難関校受験の真実」
-
小説『破産宣告』【第5回】田口 寛
「日本側には内密に…」不良経営を続けた韓国側の言い分は
-
小説『GLO・秋の読書フェア』【『マダム・モネの肖像』第9回】松井 亜樹
【秋の読書フェア】画家の視線に、裸体モデルの少女タジタジ