それは傍目には滑稽な見物だったが、伊藤医師は真剣そのものだった。野心家だった彼は地道な努力を嫌った。腕がいいのに売名に走ろうとする傾向があった。だからこの骸骨を上手く利用して、世間に名を広めようという魂胆を持っていたらしい。あるいは別の企みがあったのかも知れない。何はともあれこうして診察室の夜は更けていった。 骸骨の仕事は続いていた。一度ならず渋谷医師も買物と称して市外まで様子を見に行ったのだが…
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