俳句・短歌 短歌 2022.05.06 短歌集「茜色の空」より三首 茜色の空 【第5回】 有波 次郎長 人間の美しさとみにくさ、コロナ禍での生活、忘れられないあの女性……。 ささやかな日常を詠った誠意ある作品、幅広く物事を取り上げ、「今」を鮮烈に詠いあげた短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 終わりなき無限の空洞、流されてただ流されて尚見渡せず 叫んでも何も聞こえずただ一人 聞く者もなし己が心音 戦前の罪を後世の人等には償うことは出来ぬことなり
エッセイ 『心に咲いた向日葵』 【第2回】 丸山 珠輝 全盲の娘に向かって母は「目の前にあるとが分からんかね」「役に立ちゃあせん」その言葉に深く傷ついた。だが娘は… 【前回の記事を読む】父と母はいとこ同士だった。そして生まれた私には、両眼の眼球がなかった。そんな私のことを、親族や両親は「珠輝ちゃん、あんたは目が見えんとやから人にいらんことは言いなさんな。たいがい人の手をとりようとばい。いつもありがとうございます、ごめんなさいを忘れたらいかんよ」またあるときは、「珠輝ちゃん。あんたは昔、お姫さんやったとばい。あんたがあんまり意地が悪かったけん、めくらで生まれた…
小説 『訳アリな私でも、愛してくれますか』 【第14回】 十束 千鶴 「私は全然納得してないんですけど」…大口顧客の担当を外された、まさかの理由にもやもや。 【前回の記事を読む】隣りの部屋の住人は同期の男性だった! 同期が壁一枚隔てた向こうにいると思うと気が抜けず…「それがな……この間、男連中で飲みに行ったときのことを思い出してな。そこで話したんだが、あいつ今結婚したい女がいるんだと。子どももできたって言うから、昇進させてやりたいだろ? 親心みたいなもんだ」「……それ、私が同じことを言ったらそのクライアントは私の担当になるんですか?」「おいおい水瀬、…