プリマス、エクセター見学
土曜日午後と日曜日午後この地方の主要都市プリマスとエクセターを回りました。いずれも地方都市でそんなに見る物はありません。特にプリマスは第二次世界大戦中のドイツ軍の爆撃で徹底的に破壊され、いくつかの中世の家(エリザベス1世<在位1558年~1603年>時代の家、マーチャント・ハウス博物館等)と港を見下ろす要塞を除いてはすべてモダンな近代都市です。エクセターはローマ時代のイングランド南西部の中心都市で近世まで交通の要衝として栄えました。
プリマスは歴史的にはもっと新しい町ですが、英仏海峡を挟んでフランスと対峙する地理的重要性からイングランド南部の最重要海港となり、キャプテン・ドレークの世界一周航海、スペイン無敵艦隊を迎え撃った1588年のイギリス艦隊、1620年のメイフラワー号の新大陸への航海、キャプテン・クックの南太平洋探検航海(第1回1768年~1771年、第2回1776年~1775年、第3回1776年~1780年)はプリマス港から出発しました。
コーンウォールはウェールズと並んでケルト文化の影響の強い地域と言われています。中世初期以降、北欧、ドイツからのデーン人、アングロ・サクソン人の侵入を受けて原住民のケルト人は西に追いやられ(一部は英仏海峡を渡ってブルターニュに向かいました)、山岳、丘陵地域で独自の文化を維持したと言われています。
2・3週間前のタイムズ紙に、イギリス人の遺伝子分析を実施したところノルマン人もアングロ・サクソン人もイギリス人の支配的な人種構成要素ではないとの記事が載っていました。征服者の立場から考えても原住民を全部追い払ってしまうよりは農民として働いてもらった方が都合がいいわけで、コーンウォール、ウェールズにケルト文化が残ったのは征服者がそこまで足を延ばさなかっただけのことかもしれません。
今週金曜日から4日間、ロシアのサンクトペテルブルグに行ってきます。国家公務員(警察庁)のBさんはモスクワ駐在時代に行かれたことがあると思いますが、何かお勧めの観光ポイントがあれば教えてください。
[以下は英米法担当の大学教授Iさんから頂いた紀行文返信メールの要約です]
コーンウォールは歴史的にはウェールズの一部と考えて下さい……。先日頂いたメールで議論された「名誉」革命か第二の「征服」かという問題、イギリス人の現代のアイデンティティの問題に直結するテーマと思われます……。
この問題は歴史解釈の問題であって、史実の問題ではないということは明らかです。御同僚のイギリスの方が、イギリスのEU加盟、というより、法的に考えれば、長い目で見れば、ヨーロッパへの吸収、ということを半ば無意識的にも、気にしておられるのではないか、失礼ながら興味のあるところです。
追伸:いつかお電話頂きました29日の件、費用の納入の問題さえなければ、私は前日の夜までに御連絡頂ければ対応できます。お忙しいでしょうから、お含みおきくださればと存じます。