1998年5月9・10日(土・日) アムステルダム紀行

私の隣に座っている同僚の欧州監査室課長のQさんと最近もめているのは、1688年のイギリス名誉革命がオレンジ公ウィリアム(イングランド王在位1689年~1702年)によるイングランド征服ではないかとの議論です(オランダはその当時共和国ですからウィリアムはオランダ王ではなく、共和国を構成する有力な領邦国家の実実上の君主でした※注1)。

中央公論新社『世界の歴史-ヨーロッパ近世の開花』によると、ジェームズ2世(1685年~1688年)とイギリス議会との険悪な関係を見たウィリアムは2万の兵力を率いてイングランドに上陸し、戸惑うイギリス議会を押し切ってウィリアム3世(イングランド王在位1689年~1702年)としてイギリス国王の座に収まったそうです。

何事にもフェアネスを尊ぶイギリス人もこの事実をそのまま認めるのは面白くないらしく、他のスタッフもQさんと協調して私と対立しています。Qさんはこの週末に友人の歴史学者と会うとのことですので、事実関係を確認してくれと言っておきました。

念のために申しあげると、アムステルダムに観光名所が少ないことは私の偏見ではなく自動車専用船運航会社アムステルダム駐在員の意見です。ただ、郊外の農村地帯は美しく、のんびりした休暇を楽しむには絶好の場所です。2日間の観光では、大堤防やクレラー・ミュラー美術館(フィンセント・ファン・ゴッホのコレクションで有名で、「アルルの跳ね橋」があります)等まだ見残したところも多く、もう一度ゆっくり観光しようと思います。

追伸:元エンジニアリング会社社員で弁理士のFさんからご紹介頂いた、通信社ロンドン特派員のEさんと4月20日に我がフラットで夕食をご一緒しました。Marks & SpencerのTVディナー(要するにインスタント食品)を買い込んで電子レンジで温めただけですが、ムラーノ・ガラス製のワイン・グラスを傾けて久し振りの山の話とヨーロッパ旅行の写真で盛りあがりました。