1998年5月9・10日(土・日) アムステルダム紀行
というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、この週末にオランダのアムステルダムに行ってきました。最大の名所はキューケンホフ公園で、皆さんもきっと写真でご覧になったことのあるチューリップで一杯の公園です。
この公園はチューリップの開花期間中の3月末から5月末の2ヵ月間のみ開園しており、その規模、広さと言い管理の見事さと言い、日本の日比谷公園などとは比べようもありません。ことしは暖冬の影響もありやや盛りを過ぎた感じで、4月中が一番かもしれません。
ただヨーロッパの3月4月は雨が多く日本人には肌寒い気候が続きますので、花薫る初夏の陽気を楽しむには5月以降がベストでしょう。アムステルダムでは日曜日はなんと27度を記録し、私には慣れない暑さで、疲労困憊してしまいました。10年以上前に銀行営業部で自動車会社および自動車専用船運航会社を担当していた当時の担当者Lさんがアムステルダムに駐在しており、迷惑とは承知しながら、土曜日に車で郊外を案内して貰いました。
キューケンホフ公園の他に、アムステルダム運河の水門、アイセル湖畔の港町フォーレンダムそしてオランダ名物の風車(ザーンセ・スカンス)を回りました。ザーンセ・スカンスの風車は穀物等の粉砕作業用ですが、オランダの風車本来の目的は排水作業であり、海面下の農地に溜まった水を海に汲みあげることです。
オランダは13世紀以来干拓によって耕地を拡大してきましたが、山から運んできた土砂で海を埋めるのではなく、風車による排水と、水路掘り下げによる土砂の積上げにより陸地を造ります(オランダの最高地点は321メートルですからそもそも削る山もありません)。アムステルダム周辺はライン川が運んでくる肥沃な泥が堆積した低湿地・遠浅の干潟であり、また干拓の費用が比較的安く済むこともあり、干拓による農地造成は経済的にも合理的な事業だったようです。