私の足跡①小矢部大家病院
私が生きた証のひとつが小矢部大家病院です。金沢大学の大学院を卒業して精神科に入局した私は、多くの人たちの助けを借りながらわずか2年で自分の病院を開業しました。思い出のある金沢大学医学部の木造旧校舎を買い取って、それを移築した円形・2階建ての病院です。
オープニングセレモニーには、当時の小矢部市長や県議、金沢大学の教授たちにも参列していただき、華々しい式典となったのを今も鮮明に覚えています。当時は日本中に精神病院が建てられましたが、小矢部大家病院もそのひとつといえるでしょう。
以来、病院経営と患者さんの治療に専念するなかで、病院は拡張を続け、精神科だけでなく内科も併設。さらに、精神障害者のグループホームや介護老人保健施設など、グループは今も拡大を続けています。現在は、病院長の職は娘に譲りましたが、元気でいられる間は、医師として何かしたいと思っています。
これからの日本はさらなる高齢化社会となり、認知症などを患う高齢者も増えていくと考えられます。精神障害者や認知症の高齢者、双極性障害や発達障害などさまざまな問題、病気を抱えた人たちのために、チームで治療にあたっていきたいと考えています。