省エネ法の「ベンチマーク制度」とは?

そこで新たに考案されたのが前出した「ベンチマーク制度」というものです。このベンチマークとは、特定の業種・分野について、当該業種等に属する事業者が、中長期的に達成すべき省エネ基準(ベンチマーク)であり、省エネの状況が同業他社と比較して進んでいるか遅れているかを明確にして、進んでいる事業者を評価するとともに、遅れている事業者にはさらなる努力を促すため、各業界で全体の約1から2割の事業者のみが満たす水準を事業者が目指すべき水準(ベンチマーク)として設定したものです。

写真を拡大 [図表1]ベンチマーク制度の現状 出所: 資源エネルギー庁資料、2020年8月7日「省エネルギー政策の進捗と今後の方向性」より抜粋

つまり、これも前述した機器トップランナー制度と同様に、「産業・事業者トップランナー制度」と呼ぶことができるもので、こちらはエアコンや自動車のような商品のトップランナーではなく、産業別事業者・企業自体のトップランナーと言うことができます。

それでは、このベンチマーク制度に対する筆者が問題・課題と考えることを以下に述べていきます。