海外旅行大好き
学校の夏休みもそろそろ終わるが、まだまだ暑さは引かないようだ。縁側から真っ青な空を眺めていたら、飛行機がゆっくりと横切る。まっすぐな飛行機雲が青い空によく映える。
父「おまえは飛行機も怖がらないし、外国も大好きだけど、香港にはもう行けないかもね」
子「すごいデモとかニュースでやってたから?」
父「デモの中心的存在だった女性が逮捕されちゃって、10か月刑務所に入れられるんだって。自由を求めたら自由を奪われるって……もう今までの自由で華やかな香港じゃなくなる」
子「僕は別に香港行きたいって言ってないよ」
父「そうか。ハワイだったね。でも餃子と焼売大好きじゃん。それが好きな人は一度は香港で食べないとって聞くよ」
子「餃子はお母さんのが一番美味しいし、焼売は崎陽軒のお弁当があればいいよ」
父「香港がそこにあるのね」
子「今はコロナで出来ないかも知れないけど、香港からお取り寄せすればいいじゃん」
父「それを言い出したら外国行かなくていいじゃん。なんで外国行きたがるの?」
子「飛行機は、アニメ見放題で、ジュースやお菓子がたくさんもらえるんだよ」
父「なるほど……でも世界中が香港みたいに混乱して、自由じゃなくなったら、どこにも行けなくなるから困るでしょ」
子「飛行機に乗る理由がないと困る」
父「じゃあ、アニメとジュースとお菓子を守るために、世界中のみんなの自由も守ってね」
お父さんのひとりごと
子どもにとっての自由とは、学校が休みだとか、宿題がないとか、ごく狭義の自由でしょう。日本での当たり前は、外国ではそうではないということを知ってほしい。日本の素晴らしさを知るためにも、海外情勢を知ってほしい。
息子には、飛行機恐怖症の私を反面教師として、肌感覚で世界を知るべく、外国で見聞を広めてほしいと思います。