辞めていく人がお世話になった人に一人ずつ挨拶をしていると、やめさせられるのです。情報管理上の理由で。「いやー、冷たいね。ふつー最後なんだし挨拶くらいさせてやってもいいだろ」って思いました。
まぁ全員そうなるわけではなく、部署によっては部屋に皆を集めて記念写真を撮ったり、激励のメッセージを書いた色紙を渡したりすることもありましたが、冷たい一面を持っているのは確かです。昔はもっと冷たかったと聞きますし。
「ファミリーかぁ。かっこいい例えじゃねーか、ちくしょう。それならコンサル出身のオレは、何と例えてやろうか。銀行は○○みたいなもんですって」言う相手もいないのですが、単純な私は考えます。「一年もコンサルの世界にいなかったお前が偉そーに語るな」と言われそうですが、言っちゃいます。転職した時に銀行から受けた印象を思い出しながら。
上下関係や礼儀に厳しいのが銀行、コンサルは緩い、土日も銀行関連のイベントがあり仕事とプライベートの区別が緩いのが銀行、土日も仕事をしかねないほど猛烈に働くのがコンサル、「ご進講」とか「~賜りたい」とか古めかしい言葉を多用するのが銀行、意味不明なカタカナ用語が多いのがコンサル、収入や立場が安定しているのが銀行、アップオアアウトの厳しいコンサル。
どうでしょう、〇〇に入れる言葉が見えてきた気はしませんか。私なりに例えると、「銀行は江戸幕府」です。その世界の中でお作法がしっかり確立されており強権を発揮することができますが、夷人には気遅れする、またはメッポウ弱い。銀行にとって夷人は転職者であり、霞が関であり、グローバルで活躍する外資金融だったりします。
銀行がプロパーと転職者を明確に区別(悪くいうと差別)する経験もしました。ある時上司から、「お前は転職しているから不利」と言われたのです。意味不明でしたが、プロパー前提の人事評価制度が根付いていることは間違いありません。転職者は蚊帳の外に置かれるのです。身元不明の転職者よりも同じ釜の飯を食ったプロパー優先ってことでしょう。
最近、銀行もデジタル化を推進するため転職者を多数受け入れていますが、気の毒に思います。未だにこういう意識で評価をしているようでしたら時代遅れだし、人も集まらないと思います。