雪に覆われた冬枯れの庭園に囲まれ、冬の日差しを浴びて立つピルニッツ宮殿は瀟洒で美しいのですが冬の間は残念ながら内部の見学はできません。
庭園の最大の見物は樹齢250年の日本の椿で高さ・幅とも10mを超える大樹です。
午後はドレスデン市内を観光しました。
エルベ川沿いの旧市街に再建されたツヴィンガー宮殿、ゼンパーオーパー(いくつかのワーグナーの楽劇が初演された歌劇場)、宮廷教会、レジデンツ宮殿、アルベルティヌム等が集まっており、すべて歩いて回れる範囲内です。
宮殿やアルベルティヌムには美術館や博物館が多く、特にレジデンツ宮殿内で見た王冠、即位式用の各種宝物(「1つの王冠の下に」というパンフレットでしたのでポーランドとの連合侯・王国の物と思われますがドイツ語ですので詳細不明)、アルベルティヌム内の緑の円天井宝物館の宝石、装飾品、家具・調度品は息を飲むような豪華さです。
昨年9月に訪れたパリのヴェルサイユ宮殿は中の家具類は戦費調達のため革命政府が売却してしまい(イギリス王室が最大の買い手だったそうです)何もなく、王冠等の宝石も同様ですが、ドイツの各王室は1918年の第一次世界大戦まで存続したため散逸せずに残されたようです。
南ドイツのバイエルンも有力王国でしたが、昨年11月のミュンヘン旅行ではお城巡りで忙しく博物館等を見て回る時間がありませんでした。もう一度ミュンヘンに行き博物館・美術館を見てみたいと思います。
またツヴィンガー宮殿内の古典巨匠絵画館では一般に有名なのはラファエロの「システィーナの聖母」ですが、個人的にはヤン・ファン・エイク(ベルギー・ヘントにある「神秘の子羊」の作者)の祭壇画が印象的でした。
小さい物でしたが、現存するヤン・ファン・エイクの作品は少なく、現物を2つも見られたのはラッキーでした。
夕方はすることもなくホテルに帰ろうとしたところ、通りがかりの十字架教会でオルガンとソプラノ歌手による演奏会があり、1時間ほど聞きましたが火の気の無い石造りの教会はさすがに寒く、ダウン・ジャケットと純毛の長下着を着ていても腰のあたりから体の芯まで寒さが忍び寄ってくる感じでした。
日曜日は午前中ドレスデンから列車で30分ほどのマイセンに行き、マイセン磁器製造所とアルブレヒツブルク城、大聖堂を見学しました。