俳句・短歌 句集 2021.12.15 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第41回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 春一番書肆にトラック便が着く ゆつくりと田の人うごく山桜 修復の壺に人群る四月尽
小説 『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』 【第10回】 水木 三甫 ホテルの入口、ためらいは一瞬で、後はただ身を任せていれば良かった。夫と同じことをしているだけだ。 【前回の記事を読む】硬直する体に構わず、若い桃のような頬に唇を当てる。首筋からさらに下へ、新鮮な匂い。しがみついていた彼女の腕の力は抜け…光彦から急な出張が入って帰れないという連絡が入った。淳美は光彦があかねと会うことを確信した。光彦のために自分は尽くしてきたつもりだ。それを裏切ったのは光彦だ。あかねの存在も淳美にとっては大きなストレスになっていた。いつもあかねに操られている自分にうんざりしてい…
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【第19回】 花田 由美子 服の上、黄色い何かにむしゃぶりついた。大きな種と厚い皮の内側の果肉をこそげ落としていると、甘ったるい女の声が… 【前回の記事を読む】「撃たれなかった理由は、白人ではないから?」初めての海外出張で、まだ少年のようなゲリラ兵に銃を向けられ…滝の裏は俺の秘密基地だ! 腹が減っていることを思い出した。食いもん、あるのか? ワニいたら喰ってやる。どこかにいないか?見回し、服を投げた岩に視線を移した。服の上に、何か、黄色い物がある。なんでだ? どこから落ちてきた?そこまで届く枝は上にない。心臓が跳ね出す。再び、幻聴が…