俳句・短歌 句集 2021.12.08 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第40回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 水仙や寺に一番乗りのバス 冬草の畔崩したる靴のあと 空つぽの堰に水来る野焼かな
エッセイ 『良子という女[注目連載ピックアップ]』 【第35回】 野村 よし 「開けてみると新札で50万入っていた。…はは、何を買うつもりやったんかなあ。」妻を亡くした友人が食器棚で見つけた紙袋は… 【前回の記事を読む】妻の冴えない表情が、私の心を重くしていた。今回私の悪い予感はすべて当たった。それを考えるとぞっとした。空気が冷たくなった。いよいよ冬の到来である。7時前に良子を訪ねた。今夜から食事が出たと言う。といっても勿論流動食である。「重湯」「いりこ味噌」「コンソメスープ」「オニオンスープ」とメニューにある。「全部は食べられなかった」と良子は言った。「絶対に無理せぬように。慎重に、慎重に…
小説 『愛[注目連載ピックアップ]』 【第6回】 高見 純代 繰り返される両親の喧嘩にビクビクし、母につかみかかろうとする父の足を、幼い私は泣きながら小さな手で引っ張った 【前回の記事を読む】16歳も年上の彼。3日連続で会っているが、これはデートなのだろうか? でもデートだったら手をつないだり、キスをしたり…日曜日も洗濯機を回しながら、部屋でぼんやりとしていた。私は男を信用していなかった。だから近づかないよう、近づかれないようにしてきた。周りからは美人とレッテルを貼られていたが、全くもてなかったし、もてたいとも思っていなかった。こんなになったのは父のせいだと思って…