美しき女よ
今度二人っきりで行きましょうね
などと我が耳にささやいて
驚いてその目を見入れば
黒目がちな瞳には
真か嘘かその心わからず
おお、美しき女よ
何を思いてか我を惑わす
私、悪い女ですなどと口走りて
水割りを飲みたるに
我は
悪い女大好きだよ
とはしゃいで見せれば
何故かふとさみしげに
いえ、私真面目なんです
美しき女よ、人妻よ
その言葉、酒の上と言うなかれ
君の言葉一つ一つが
我をかくも乱し
その仕草の端々に我は
かくも魅せられて
たわむれと言いまじきよ、君よ
その踊り何とあやしき
我が腕にいだかれて
やわらかくも寄りそいしは──
我が心かくもふるわせて
ふと頬を寄せては
熱き血潮をかきまぜて
我を酔わせる美しき女