君の心を盗んで
店の隅で人目を気にしながら
君の顔に頬寄せ、唇を盗む
君はふと瞳をおよがせ
そして目をつぶって溜息をつく
抱き寄せたいと願いつつ
君の手にからめれば
力をこめて握り返して
それでも何かゆれるらし女心
酔ってゆく心のままに
君の耳に口近づけて
君が欲しいと言ってみれば
とまどいながらも目の輝きて
肩寄せて歩きながら
愛撫待つ君の心
しかしふと目をふせて
不倫ネという君の哀しみ

黒い花Ⅰ【第3回】
油彩画の艶やかな色彩と
詩の繊細な言葉が織りなす
マリアージュ作品集
本記事は、大伴健氏、長友良憲氏の書籍『黒い花Ⅰ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
店の隅で人目を気にしながら
君の顔に頬寄せ、唇を盗む
君はふと瞳をおよがせ
そして目をつぶって溜息をつく
抱き寄せたいと願いつつ
君の手にからめれば
力をこめて握り返して
それでも何かゆれるらし女心
酔ってゆく心のままに
君の耳に口近づけて
君が欲しいと言ってみれば
とまどいながらも目の輝きて
肩寄せて歩きながら
愛撫待つ君の心
しかしふと目をふせて
不倫ネという君の哀しみ