今思えば、若気の至りとしか言いようがない馬鹿者だった。私は、そんな問題を繰り返す都度、出世からは遠ざかるばかりだった。「KY」。空気が読めない馬鹿者だった。今もそうかもしれない。会社在籍中に「KY」事件を思い出すと両手の指で数えても足りない。
多くの問題を引き起こしたが、それらの問題を起こした根本原因は「部下である職員の生活を守り、安心して仕事できる環境を作りたくて、それを阻む者は上司であろうが、許すことは出来ない」私に、そんな信念が強かったからだ。中、高、大の部活で「死ぬ思い」は何度もあった。その時の教訓で「行動は正当に行うこと」を学んだ。正当な道を行けば、自然災害以外は防げる。
しかし、防げないのは、会社の不条理だ。「落ちこぼれ所長の事件簿」を小説にすればシリーズものになること請け合いである。落ちこぼれ社員であちこちと問題を起こすから、会社が嫌いかというと全く違う。こんな私でも会社は蔑視せず平等に扱う風通しの良い懐の深い会社で、さすが百年以上の歴史を持つ会社であり、大好きな会社である。こんな会社で育てられたことを今でも名誉に思っている。出世にはその都度、遠ざかると言ったが、私にそれだけの能力がないことは、私自身が十分知っている。今も、当時の上司、同僚、営業職員と縁あって連絡を取り合っている。感謝に堪えない。
特定社労士試験受験
特定社会保険労務士は、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」による自主的解決手法の一つであって労働問題で苦情に至ったとき、裁判に至る前に苦情の両者がお互いの合意を以って解決させることが出来る資格であり「ADR法」として聞かれたことはあるかも知れない。
この資格は、私が一番欲していた資格であり、開業後一年経過しないと受験資格がなく、「法務研修」「スクーリング」を必須とし、現役の弁護士が講師となり、該当条文の読み込みと、深い理解が必要となる。合格率は半分程度で回答は、全て文章回答で条文の何条の何項かまで覚えなければならない。受験者は多くないが、研修は、少人数の班に分けられ多くのディスカッションを行う。充分に該当条文の内容を理解していないとディスカッションの中に入れない。取り残されてしまう。私は、何とか乗り切った。