社労士の評価は高い
支部で年一回の一泊研修が箱根であり、それに参加した。研修が終わり、宴会になった。コンパニオンが入り賑やかな会で、五十名程度で内女性が二十名程度。
隣にコンパニオンが座った。手慣れた仕草で、
「どうぞ、いっぱい」
と、ビールを注ぎにかかる。私の右肩にドレスの肩が触れるのを感じる。
首をかしげて、コンパニオンを見ると、胸元が大きくあいたピンクのドレスは、私をドキドキさせた。
「僕は、ビールは飲めないから、ウーロン茶だよ」
テーブルにウーロン茶がなかったために、立って取りに行った。
「さー、どうぞ」
先程より近くに座り、今度は彼女の腰までが私の太ももに触れる。悪い感じはしない。
彼女は、私がアルコールを飲まないため、安心して隣に座を決めたのだろう。
「社労士先生は、忙しいでしょう。この前、年金問題で母が不安がっていたので書類を持って年金事務所に行ったの。年金が増えますから社会保険労務士に相談して手続きをするように言われたの」
私は、その理由が知りたくて、お母さんの年金状態を聞いたら、
「お母さん、結婚して姓が変わったのに届出をしてなかったの」
「関係書類は持参して、年金事務所に行ったのでしょう」
「本人でないと駄目だって」
酔っているのだろうか、やたらにウーロン茶を勧める。そのたびに彼女の胸が右腕に当たる。胸の谷間も気になる。ドキドキしてしまう。
「不正が起こるから、本人確認は大切なことだからね」
「先生、母の年金、やってくれる」
ひょんなことで、依頼をされた。
彼女は、私が、真剣に対応して話を聞いてあげたためか、すっかり打ち解けて、自身の生い立ち等を話し出した。周りは、カラオケで盛り上がり、数人がダンスしている。