現在は時代の変遷とともにIT化も進み、2013年にはGSLを改訂したNGSL(New General Service List)にリニューアルされ、約2億7000万語の中から精選した2368語で会話の約90%がまかなえるようになり、精度が向上しています。

ケンブリッジ大学の調査によれば、標準的なネイティブスピーカーでも覚えている単語の数は平均で2万2000語であり、語数の多さは会話の精度や専門性を高めるには効果的です。ですが、100%完璧に全ての会話をまかなうには8万7000語以上が必要になると試算されています。

ネイティブでも実際にこれだけの量の単語を覚えている人は、ほんの数%しかいません。それではハードルが高すぎますよね。

これを考えると、小・中学校レベルで学ぶ単語は覚える価値があり、かつ実用性が非常に高いというわけです。さらに、ニュージーランドの言語学者Paul Nationは、通常の会話で使う単語の49%は上位100語で占められるとの研究結果を発表していて、語数を増やしていくと、1000語覚えたら全体の会話の74%が、2000語なら81%が可能になると示しています。

最先端の栄養学についてまとめたC.CampbellのWHOLEの日本語版を翻訳した丸山清志さんも8割の基本単語を覚えていけば、残りの2割は単語を足していくだけで語彙を広げられると言及しています。逆に言うと、英語は土台となる基礎の範囲が大きいので、ここが固められたらあとは単語や予備知識を足していくだけでOKです。

80%を占める基礎の部分を固めたら、あとは自分の得意分野から楽しめるように学習すると、伸びるスピードも加速していきます。単語の学習については、初めに小・中学校レベルの単語から手をつけていくことが賢明です。基礎がついてきたら、残りの20%については自分の趣味や生活、仕事の範囲に応じてつけ足していけば、インプットやアウトプットの精度も違ってくるはずです。

野球やサッカーなどスポーツで使う単語が分かるようになってくると、メジャーリーグやプレミアリーグなどが好きな人にとっては、スポーツ観戦がより面白くなります。

鉄道でも同じで、つけ足していく部分については乗り鉄や写真鉄、模型鉄などジャンルは幅広いですが、関連した語彙を増やしていくと興味の幅や国内だけでは知り得ない情報などを得ていくことがより簡単になります。

文法については、文章の読み書きを行う上で必要になってはきますが、こちらも初めは中学レベルからの知識で構いません。それよりも単語ですが、使いながら生活レベル、趣味のレベル、アカデミックレベル、実務・専門領域とステップアップしていくことで今後の学習につながっていきます。