【関連記事】「病院に行って!」背中の激痛と大量の汗…驚愕の診断結果は
社会人篇【就職】
障害年金
就職先の話に入る前に、障害年金について少し生々しい話をしておく。僕が仕事をすることになった社会福祉施設の利用者は殆どが障害年金1級相当だ。年間にして97万円近くが年金として入る。しかし半分以上は施設利用料となる。
本来親が健在なら年金の残りを管理して、適切な使い方をするものだが、本人が高齢で親や兄弟もいない人が多い。そのため、残りの年金の管理は親戚、叔父叔母や姪か甥がすることになる。なかには不届き者もいて、自分の懐に入れてしまうケースがあるのも確かだ。酷い例になると、施設利用料を踏み倒す輩もいる。
最も酷かったのは、入所手続き中に職員と家族で利用者本人の貴重品や通帳の残高確認をしていたら、前日に通帳残高の8割が引き落とされていたという実話だ。
「これは……、どうしてですか?」と尋ねると、「貸しがあったからそこの金で返してもらった」「貸してくれって言ってたからな」と言う。信じられない。利用する方は意思疎通が出来ない。金貸してくれとは言わないはずなんだがね! 心の中は腹だたしさで一杯になる。情けない話だが、こういうケースは多いと思う。福祉は素晴らしいが影もある、そんなところで僕は働くことになった。
介護
短大2年生の冬に、神奈川県内にある社会福祉施設のK共同会A障害者施設で働くことになった。無事に卒業式を終え、その年の6月より晴れて就職である。
この施設の利用者は中高齢の知的障害者で、何らかの疾患を抱えた方々であった。利用者は合計120名、男性寮が三つ、女性寮が三つと、男女が一つの階にまとまっている寮が一つ。寮の真ん中には支援員事務室があり、そこで男女の部屋が仕切られる形になっている。