都合のいい者が二人集まったという事、「同じ穴のムジナ」だったのだ。
その事を知ったおばちゃんはそりゃ少し
「エッ! まじか……」
とは思ったけれど、それよりも何よりもあまりにも旦那が旦那としては「できすぎ君」という現実に、
「そんな事はどうでもいい。やっぱり私の見る目は正しい!」
という結論に達した。
それは、この旦那はよくいう「亭主元気で留守がいい」とはまるっきり違い、うちの場合、「手元に置いといて損はない」のだ。
全然、手がかからない。
例えば、友達と久しぶりに会った時に、せっかく楽しんでいる時に、
「ごめん、もうそろそろ帰らないと旦那が帰ってくる時間……」
なんてそそくさと帰る事がよくあるが、うちの場合、電話で一言、
「ちょっと遅くなるから子供らと何か食べてて!」
で済む!
友達が遊びに来たりすると手巻きパーティーの支度をしてくれたりするので、みんな
「アッコって本当にいい旦那さんとめぐりあえたね〜」
ってほめてくれるけど、一般的な旦那の基準を知らないおばちゃんは、
(そりゃそうだ! だって今の旦那としか生きてきていないので、他の旦那ってどうなのよ?って感じ)
一緒になって四十年近く、相変わらず酔っぱらった旦那をなじり続けている。