【気をつけなければならない点】

多くの社労士が顧問契約欲しさに、多少の無理を聞くことがあるだろう。

しかし、「白なのか、黒なのか」法的に判断することが必要であり、違法であると判断したときには、早々に去ることを勧める。

時代は移り変わっても、守らなければならない線を越えてはならない。社労士業において、書類代行だけを行っているのであれば、会社の内部に立ち入らないため、信頼関係は希薄であろう。

しかし、私の事務所では、経営労務管理の観点から、顧問契約を行っているため、顧問先がより発展・成長されるためのアドバイスを行っている。

従って、経営者にとっては耳障りなことや嫌なことなども告げている。

相談事には、泥臭いことや醜いことも多々あるが、それを受けて、対応するのが仕事であり、役割である。信頼関係を築くことによって、経営者はどのようなことでも包み隠さず、話してくれる。

しかし、一度でもその信頼関係を崩してしまうと、信頼を取り戻すことは困難である。社労士は、発生した事実に基づき、真摯に対応しなければならない義務を負っており、会社の発展向上と従業員の福祉に寄与しなければならないと考えるからである。

今回の労災隠しは、建設業界では珍しいものではない。厳しいペナルティーが科せられると分かっているからこそ、会社は労働災害を発生させないように最善の努力をしている。

しかし、小さな下請け会社は、一度労働災害を発生させると、元請け会社が使ってくれなくなるという恐怖を抱えている。そのため、特に軽微な労災は特に報告せず、内々で処理してしまうことがある。

これから先、このような会社と出会うことがあるかもしれないが、このような経営者とは付き合わないことが大事であると考える。