学校でディスコパーティー

日本の学校には、運動会や体育祭、文化祭、合唱大会、修学旅行など年間を通して様々な行事がある。

そして、どの行事にも多くの時間と精力が注がれる。行事は教育活動の一環として行われ、カリキュラムの重要な要素となっている。

オーストラリアの学校にも様々な行事や催しがある。スポーツ関連の行事は特に多い。アスレチックカーニバルなどと呼ばれるスポーツ大会はどの学校でも行われる。

でも、日本の運動会や体育祭とはずいぶん違う。個人競技が中心で、記録を測って、良い結果を出した生徒を表彰する。記録会のようなものだ。団体競技は少なく、行進や組体操、応援合戦などもない。

スポーツ以外の行事もある。音楽やパフォーミングアーツ、スピーチコンテストなど日頃の成果を発表するものが多い。全校で行うのではなく、参加したい者だけが参加する。

オーストラリアの学校ではあくまでも授業がメインで、行事や催しは補足的なものだ。だから、日本のように準備に何日も費やしたり、多大な精力が注がれたりすることはない。

オーストラリア社会の文化的多様性を祝う「ハーモニーデー」や、アンザック軍(第1次世界大戦時にオーストラリアとニュージーランドの志願兵により編成された軍事組織)の兵士を追悼する「アンザックデーパレード」などはよく行われる。

保護者や地域の人たちも参加することが多く、後者にはスカウト団体や退役軍人が招かれることもある。

みんなで楽しむイベントも多い。

飛び切り派手なソックスをはいてくる「クレージーソックスデー」、ピンクの服を着てくる「ピンクシャツデー」、キャラクターの格好をする「キャラクターデー」などというイベントだ。教師も参加することが多い。

たわいのないもののように思えるが、個人の独創性や創造性、表現力が発揮でき、何よりも学校コミュニティの一体感が生まれる。

音楽やダンスを楽しむ「スクールディスコ」、「ビンゴナイト」などのゲーム大会、「バーベキューナイト」などは保護者が主催することが多い。多くの人が参加できるよう、たいてい夕方から夜にかけて行われる。

学校コミュニティの人たちが集まって、楽しむというのがオーストラリア流なのだろう。日本の学校では楽しむだけの活動はあまり推奨されない。教育的意義が重視され、「楽しむだけではいけない」という雰囲気がある。

でも、楽しみながらでも教育的効果を得ることはできる。学びは多様な形で実現できる。どんな活動からでも子どもたちは何かを学ぶと思う。

意義や効果などにとらわれず、みんなが楽しめる行事を、日本でももっと取り入れたらよいのではないかと思う。