歓楽街としての新宿の魅力

歌舞伎町新宿通りを行き交う人々の多くは、新宿通りの南北にある裏通りへと消えていき、又その裏通りから現れてきますが、彼等が訪ねる裏通り繁華街は、北側は靖国通りまでの、南は甲州街道までの幅広い街区です。

この街区にはデパートの伊勢丹を始め、ショッピングや飲食する店が多くあり、また娯楽では映画館の新宿ピカデリーがあり、寄席の末廣亭があり、更に奥には黒澤明や三島由紀夫が愛した酒場「どん底」などの飲屋街があり、歌声喫茶がありで、老若男女多様な人々を惹きつける魅力ある街区です。

しかし、人々を惹きつける新宿の繁華街と言えば、やはり靖国通りの北側にある歌舞伎町でしょう。夕方から夜にかけては新宿通りから靖国通りを越えて歌舞伎町に向かう人々の波が毎日続いています。その時間帯に靖国通りの横断歩道には信号待ちする群衆が滞留しているのをよく見かけます。

新宿歌舞伎町は、一時犯罪組織の巣窟として悪名で有名になりましたが、日本全国に知れ渡った東京を代表する歓楽街です。歌舞伎町は、当初の計画では、この地に歌舞伎の演舞場を建設し、この地域一帯を演芸の中心地にする筈でした。

しかし計画は挫折して、中心部に昭和三十一(1956)年コマ劇場が建設され、その西側の広場を囲むように複数の映画館が建ち、当初の計画より規模は小さくなりましたが、新宿の娯楽センターとして出発しました。旧コマ劇場は、歌舞伎町を代表する演劇場で、嘗ては「演歌の殿堂」と言われましたが、演歌だけでなく有名なミュージカルの公演も行われました。

しかし、遂に「歌舞伎」は演じられることなく、平成二十(2008)年『年忘れにっぽんの歌』の生放送を最後に閉館となりました。旧コマ劇場が取り壊された跡には東宝の「TOHOシネマズ新宿」と「ホテルグレイスリー新宿」を建てて、この文化施設と高級ホテルで歌舞伎町の悪いイメージを変えようとしています。

また、その西隣りは嘗て噴水のあった広場でして、歌舞伎町のヤングスポットとして若者の集う場所でしたが、今は小綺麗なシネ・シティ広場となり、広場を囲むようにカラオケ、遊技場があり、若者が集まっています。