教育活動はどのように行われているか
年度の初日から授業が始まる
新年度は1月に始まり、12月に終わる。
4学期(ターム)制で、年間の授業日数は約200日。学期の区切りは州ごとに若干違うが、一つの学期が終わると2週間のホリデーがある。クリスマスを含む年度末のホリデーは1カ月以上あり、南半球ではこれが夏休みとなる。
州立学校も私立学校も週5日制で、土日は休み。日本の学校は年度初めにいろいろな行事がある。入学式や始業式、異動する教師の離任式や着任式などセレモニー的なものが多い。
健康診断やスポーツ測定もある。教科書を配布するだけでも時間が費やされる。新入生は、オリエンテーションや上級生との対面式、生徒会の説明、部活動やクラブ活動の説明などもある。だから授業がなかなか始まらない。
オーストラリアは違う。初日から授業が行われる。入学式や始業式もない。小学校の新入生も、保護者が学校まで送り届けると「バーイ!」と言ってそのまま帰っていく。写真を撮る保護者もいない。桜の木の下で記念撮影をする日本の風景とはかなり異なる。
健康診断も学校ではやらない。子どもの健康管理は保護者の責任だ。オリエンテーションの時間も特に設定されない。学校生活については、事前に学校案内やホームページで確認すれば済むし、わからなければ個別に問い合わせればよい。
終了式もない。学期の最後も普段通りに授業が行われ、「ハブ・ア・ナイス・ホリデー」などと言ってそのまま終わる。卒業式は行われるが、日本のような厳粛さはない。サーティフィケート(卒業証明書)の授与と校長のメッセージがあるくらいだ。
在校生や来賓の出席もなく、長い祝辞を聞かされることもない。シンプルで、短時間で終わる。保護者の服装もいたってカジュアル。オーストラリアの12月は夏なので、短パンやTシャツという人もいる。
後期中等段階の卒業時には「フォーマル」と呼ばれるパーティーが行われ、どちらかといえばこちらの方を楽しみにする生徒が多い。ドレスやタキシードに身を包み、ダンスなどで盛り上がるこのパーティーには日本の成人式のような華やかさがある。