学校は3時過ぎに終わる
午前中にモーニングティーと呼ばれる比較的長めの休み時間がある。この時間に生徒は持参したおやつや軽食を食べる。ランチを食べてもかまわない。ランチタイムは日本に比べると遅めなので、待ちきれない生徒も多いためだ。おなかの空き具合は個人によって異なるという考えが前提にあるのかもしれない。ランチのあとは授業が1コマか2コマあり、最後の授業が終わるとすぐ下校となる。帰りのホームルームなどはやらない。
授業のときは生徒が教室を移動
授業と授業の間は生徒の大移動が起こる。日本では、教師が生徒のいる教室に行って授業をするが、オーストラリアは逆で、生徒が教師のいる教室に行く。教室は教師の部屋であり、生徒のホームルームではない。生徒が教室に入れるのは授業のときだけで、休み時間は教室の外で過ごす。
生徒が移動するこうしたシステムは、教師にとっては合理的だ。移動時間が節約でき、その分を授業の準備に充てられる。授業中に必要なものが生じても、すぐに用意できる。生徒も、次の授業を確認して教室に向かうので、気持ちの切り替えができる。
だが自分の教室がないので、生徒には私物を置いておく部屋がない。持ち物はすべてロッカーに入れ、授業ごとに必要な物を取り出して教室に持って行く。そして、授業が終わるとまたロッカーにしまう。そのため休み時間はロッカーの周りが大混雑する。
ロッカーは、校舎の一角や廊下などに設置され、鍵がかかるようになっている。管理は生徒が各自で行う。ある学校のロッカールームを見て、ドキッとしたことがある。格子ドアの中にロッカーが並んでいたのだが、何とも寒々しい雰囲気だったのだ。留置所か動物園の檻のように見えた。もう少し温かみがあってもいいのにと思ったが、そんなふうに感じるのは私ぐらいだろうか。