交渉の着地点の設定

交渉相手に関する情報収集、分析ができたらそれに基づいて交渉の着地点を設定する必要があります。

着地点は以下の3つぐらいは想定しておくべきでしょう。

1.ベストケースシナリオの着地点

2.ワーストケースシナリオの着地点(それ以上は絶対譲れないという線)

3.1と2の中間の着地点

交渉を開始するとだいたい予想していなかった要因が浮かび上がったりするものです。着地点が1つしか想定されていないと、その場合慌てることになりかねません。慌てれば心理的に不利な状況に陥ります。

そうならないためにも右記の3つの着地点を想定し、不測の事態が発生した場合でもそのどれかに当てはまっているのであれば冷静に受け止められるはずです。

交渉は心理戦なので事前準備で交渉中の心のゆらぎを最小限に押さえるための準備はしておくべきでしょう。またこの着地点が複数設定できていれば後述の交渉のシミュレーションもより万全にできます。

1つの着地点だけでは、せっかくしてあったシミュレーションが絵に描いた餅で終わってしまい、しかも慌てることになりかねません。

それでも、交渉の過程で浮かび上がった予想外の要因のため、想定していた3つの着地点の前提が崩れることがないわけではありません。その場合はもう一度3つの着地点を設定し直す方が賢明でしょう。

また、この再設定の場合、社内外で急いで調整しなくてはいけないことが出てきがちなので素早く動くことが求められます。

世間相場のチェック

価格交渉を伴う交渉においては、世間相場がおおよそどれぐらいなのかあらかじめ情報収集すべきです。これは交渉本番においてどこのレベルまで押していいのか、あるいは譲歩するのはこのレベルまでというような基準にするためです。

例えば世間一般で150ドルで売られているものを250ドルで売ろうとしても、どだい無理なのは誰の目にも明らかですが、案外この世間相場(業界相場と言い換えてもいいかもしれません)を知らずに自分の都合で強引な価格交渉をしていたり、逆にとんでもないディスカウント価格で売ろうとしているケースは少なくありません。