ミトコンドリアと病気との関係

病気は「ミトコンドリアが足りなくなった状態」ともいわれている

ミトコンドリアは加齢とともに量が減っていきます。量が少なくなると、当然、エネルギーの産生量も減り、活力も弱まります。

ミトコンドリア研究の第一人者で、日本医科大学名誉教授の太田成男先生は「病気とはミトコンドリアが足りなくなった状態」との見解を、ある雑誌に記載されていました。

同じく、ミトコンドリア研究でよく知られている西原克成先生(医学博士・日本免疫治療研究会会長)も、田中保郎先生(東洋医学医師)との共著『病気の8割は腸とミトコンドリアで治る!』の中で次のように話しておられます。

「ミトコンドリアも微生物、ばい菌の一種なんです。大昔(20億年前)、ミトコンドリアが人間の体に入ってきて、具合がいいから細胞内に共生しているということです。命の源がミトコンドリアにあるのです。

がんは細胞分裂や増殖をコントロールするミトコンドリアが狂ったものです。精神系疾患(精神病)も糖尿病のような免疫病もみな等しく腸内の常在菌に細胞内が汚染されて、ミトコンドリアが荒廃した病気です。難病の原因はみな同じです。部位が違うだけです」

太田先生や西原先生がおっしゃるように、ミトコンドリアは生命の源であり、私たちが生きていくためのエネルギーをつくり出しているのはミトコンドリアです。

そのことを知れば、ミトコンドリアのはたらきが妨げられるような生活をしていれば、病気になってしまうのは自然の理にかなっています。

私たちの健康を維持するうえでミトコンドリアがいかに重要な役割を果たしているかということがよくわかります。逆に考えれば、ミトコンドリアを増やして機能を回復させるような生活を心がければ、ずっと健康でいられるということになります。

すなわち、減ってしまったミトコンドリアの量を増やすだけでなく、それと同時にミトコンドリアを元気にすることを考えなければなりません。

沖縄県で統合医療を実践しているハートフルクリニックの平良茂先生のホームページには、「一言でミトコンドリアの機能低下として、簡単に表現できますが、それによって難治性疾患のほかさまざまな疾患が発生します。慢性疲労や自閉症、多動症、統合失調などなど……。これらの疾患の背景には確実にミトコンドリアの機能異常があります」と書かれています。

また、「スナック菓子を摂取して、トランス脂肪酸が入り込むと、細胞膜としての機能が低下し、酸化障害を受けます。また活性酸素をより多く出すミトコンドリアになります」と食べ物とミトコンドリアの関係にまで言及しています。

私たちの体の細胞の中では、ミトコンドリアの数は常に増加・減少を繰り返しています。

何らかの原因でミトコンドリアが減少すると、身体の元気の源であるエネルギーをつくりだしにくくなりますので、疲れやすくなり、身体の機能が衰え、病気にかかりやすくなってしまいます。

ミトコンドリアのはたらきを正常に戻すためには、まずは細胞内のミトコンドリアの数を増やすことが大切です。