ことでんの場合、事故や緊急時の対策訓練を香川県警や高松市消防局、四国運輸局などと連携して行っています。これらの訓練ですが、営業用車両のドアを破壊したり乗用車を脱輪させたりと、かなり本格的なものです。その訓練の様子はNHKや地元民放のニュースでも取り上げられるくらいです。
特に一昨年からは毎年行っている津波避難訓練に外国人の方にも参加してもらっています。とりわけ志度線は、多くの区間で海沿いを走る路線であるので洪水や津波のリスクが非常に高く、浸水の被害にも度々遭っています。
この津波避難訓練では、大規模地震の発生で津波警報が発令されたという想定のもとに琴電屋島駅で行われ、乗務員の誘導で電車から降りて近くの高台に避難をします。実際、この訓練以降ことでんでは日・英・中・韓4か国語での指差し避難シートを志度線を走る全車両に配備し、その後、琴平線や長尾線の車両にもこのシートが備えつけられました。
昔から日本は多くの自然災害と対峙してきましたが、1995年以降でも阪神淡路大震災や東日本大震災、芸予地震、新潟県中越地震、熊本地震、胆振東部地震など規模の大きな地震が列島各地で起きています。南海トラフ地震も30年以内に高確率で発生すると予測されていることから、日本に住んでいる以上、いろいろな自然災害は起こりうるものです。
21世紀に入り、地震のみならず津波や噴火、大雨や台風の被害も甚大になってきていることから、いつでも身を守ることができるよう、普段の災害への備えに加えて語学面での備えも必要になってきているのは確実です。これは鉄道の現業職の皆様だけでなく、国民一人一人が考えていくべき災害に対する備えの新しい考えではないでしょうか。