俳句・短歌 句集 2021.08.25 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第25回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 樋継いで草むらとほす秋の水 境内に何焚くけむり秋桜 木守柿とて天辺をみな残す
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【カフカの名作を大阪弁で!?】「グレゴール!まだ家におったんかいな。 どないしてん?」名前を呼ばれて答える自分の声にギョッ!? それに列車に追いついたところで社長の大目玉は避けられん。なんせ使用人が五時の列車に合わせて待っとってグレゴールの遅刻をとうにチクっとるわけやから。こいつは社長のお気に入りやった、性根も頭もないくせに。それか、病気や言うたらどないか? いやいやこれほどカッコ悪うて怪しい言いわけもなかろう、グレゴールは五年勤める間病気になったためしがない。社長が健康保険組合の医者を連れて来て、両親をグータラ息子のこ…
小説 『鼠たちのカクメイ』 【第5回】 横山 由貴男 天保の大飢饉…ノンキャリOB・大塩平八郎が、キャリア官僚に殴りかかる!「た、た、立場をわきまえよ!」「なんやとコラ」 この頃の平八郎はすでに与力職を養子に継がせて、大坂市内で陽明学の私塾を開いていた。いま惨状を横目に進む馬の轡をとっているのが、その養子・格之助である。「哀れや。ほんま胸が締め付けられるわ。のう、格之助」格之助は大きく頷く。しかし、感傷に浸っているわけにはいくまい。格之助は義理の親子とはいえ、もはや誰よりも絆の深い平八郎にこう言った。「父上。私は公務山積ですゆえ同席できませんが、くれぐれもお気をつ…