私が補完代替医療を実践するきっかけとなった「AHCC」
① 免疫力の増強効果
AHCCとは、シイタケの菌糸体を培養して、そこから抽出された免疫賦活物質です。
ふだん、私たちが食べているシイタケやマイタケ、エリンギなどもそうですが、じつは食用のキノコにはさまざまな薬理作用をもつものが少なくないのです。
私の専門は消化器外科で、中でも胃がんを専門としていますので、数多くのがんの患者さんの治療にあたってきました。
しかし、当時の医療では医師として手の施しようがないと思える患者さんもたくさんいました。そんな患者さんに対して、何かできることはないかと思っていたところにめぐりあったのがAHCCでした。
そこで患者さんの同意を得て、末期がんの方に使用したところ、通常では信じられないような結果を目の当たりにしたのです。そして、そのことがAHCCを推奨するきっかけになりました。
AHCCは、これまでに大阪大学や関西医科大学、東京大学などの研究者をはじめ、海外の大学などでも盛んに研究されています。
② 抗がん剤治療時の副作用軽減効果
AHCCの数ある研究成果のなかで、免疫力の増強効果のほかに、もう一つ私が注目しているのが、抗がん剤治療時の副作用軽減効果です。
抗がん剤治療を実施する場合、どうしても骨髄抑制(白血球数の低下)や悪心・嘔吐、腎障害、脱毛などさまざまな副作用がつきまといます。
ところが、その抗がん剤治療にAHCCを併用することで、これらの副作用を軽減できることが、さまざまな学会や論文で紹介されています。
私自身も、このような抗がん剤による副作用の軽減効果は、当たり前のように経験していますが、このことは患者さんのQOLの向上につながり、いっそう治療がスムーズに進むこととなり、よい結果が得られやすくなります。
ですから私の場合は、がん治療において補完代替医療の立場から、医師が患者さんに使用されている実績のあるAHCC(製造方法に工夫が施され、医療機関関連施設用として販売されている「プロフェッショナルマーク」が標記されたタイプ)を第一選択として位置づけています。
AHCCは、比較的多くの患者さんに効果をあらわすと実感していますが、残念ながら期待するほど効果があらわれない方がいるのも事実です。
そんなときは、別のサプリメントを併用したり、切り替えたりすることや、サプリメントの利用以外の方法を含めて、その患者さんにあった方法を考えます。
いま注目を集めている乳酸菌(FK-23菌、EF-621K菌など)
AHCC以外で私が免疫力を高めるために注目しているのは乳酸菌です。
乳酸菌は、この後に述べる腸内環境を整えるために有用であると同時に、免疫力を高めるサプリメントとしても有用と思われます。
特に、FK-23菌は、長年にわたって研究が重ねられ、多くの学会発表や論文掲載などの蓄積があります。
もちろん、これらのほかにも信頼できるサプリメントはたくさんあります。