俳句・短歌 句集 2021.08.11 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第23回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 どこからも病院見ゆる青田風 夜どほしの雨をあつめて夏の川 十薬や石もて閉ざす取水口
エッセイ 『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』 【第17回】 山口 ゆり子 妻の姉をソファーに連れて行き、そこにそっと横たえた。彼女は泣き続けながらも、それに抵抗することはなかった 【前回記事を読む】気が付けば、妻の姉に抱き着き声をあげて泣いていた。…妻が流産し幼児退行して2年。こみあげてくるものを耐えられなかったんだ静かに抱きしめ返してくる亜希子の背中をさすりながら、春彦は郁子とよく似た亜希子の温かさが二年の間にうらぶれた心をほぐしていくのを感じていた。あの日、同じように郁子を抱きしめられていたのなら、という思いと、もはや悲しみを共にする同士である亜希子が、どうしても春彦…
小説 『にゃん太郎の冒険物語』 【第6回】 作間 瓔子 その場で『賃貸借契約書』を交わした。不安は感じたが、住田不動産からの紹介だし、小遣いになればいいか、と…。本当に軽率だった。 【前回の記事を読む】猛スピードで走り去る車、左足に火がついたような痛み。じっと耐えながら、草むらで左足をペロペロと舐め回していた。(村木)「二階にもトイレと簡易の流し台があって、各部屋にはカギも取り付けてありますので、防犯面は心配ないと思います。お隣さんは、日中はお留守の家と空き家なので、窓を閉めれば防音のほうも問題ないと思います」「お誂え向きとはこのことですね。ぜひ貸室にしたほうがいいですよ」…