CHAPTER1

まず、はじめに、病弱だった子供時代を振り返り、成人して無我夢中に生きた私が、ガンになり、苦しんだ果てに、真の幸せに気付くまでを、書かせて頂きたいと思います。

見えない力を感じる。

一人でも、独りぽっちじゃない私は、幼い頃から喘息でした。少し外で遊ぶと、喉がヒューヒューと鳴り、ちょっと無理をすると、酷く咳き込み発作を起こし、その度に病院へ連れて行ってもらいました。

そんな私は、部屋で一人遊びをするのが好きな子供でした。お絵描き、折紙、積み木など。ところが、小学校へあがると、ある日、先生が言いました。

「どうして、お外で遊ばないの? みんなお外で遊んでるわよ」

と言い、窓の外を指さしました。私は驚いて先生の顔を見、それから気が付きました。教室の中はガランとしており、私一人が座っている事に。

先生の指さす窓の外では、みんながワーワーと、駆けっこや、縄跳びをして遊んでいる事に。私は、ボーッとしていながらも、色んな事を空想して楽しんでいるのに、なぜ、注意されたのか! いつも大人しく、勉強のできる生徒だと自分でも思っていた私は、先生に叱られたと感じ、酷くショックを受けました。

それからは、逃げるように、図書室へ行くようになりました。そこで、ヘレン・ケラーや、ワシントンなどの、偉人伝を読みふけり、やっぱり一人がいいと思いました。