3000万円を貢いだ息子
依存症の最大の問題は、本人のみならず周囲の人、とくに家族を巻き込んでしまうことです。たとえばアルコール依存症は、症状が悪化すると酒を飲んで出勤したり、無断欠勤を繰り返してしまいます。
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それがもとで減給や解雇の処分を受ければ、一家の生計が成り立たなくなるでしょう。外で暴力事件を起こせば、警察に呼び出され、被害者に謝罪し、裁判で多額の賠償金を科せられます。お酒を飲ませないようにすれば、家族も暴力をふるわれるでしょう。あげくには方々で借金を重ね、最後にはたいへんな金銭問題が残ります。
しかし、家族はまったく気の毒な被害者でしかないかというと、私はそうは思いません。多くの依存症者やその家族と向き合ってきた経験からすると、家族にも原因がある場合が多いからです。
ある日、無職男性(この人はもともと統合失調症でデイナイトケアに通っていました)は、40歳を過ぎて人生初の彼女ができました。ところがこの彼女というのが悪い女で、デートのたびに彼にお金をせびるのです。最初は5000円とか1万円だったのですが、だんだんとエスカレートしていって、10万円になり、20万円になり……最後には「100万円ちょうだい」と言い出したのです。