暮れの秋渇きし心いかにせむ
揺るぎなく赤い南天うらやまし
誰が為にそこまで燃えし曼殊沙華
※本記事は、2007年5月刊行の書籍『句集 抱く』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。
句集 抱く【第41回】
―春―
身に余るミモザ抱えて人を待つ
猫の恋吾よりいくばくかは清く
―夏―
膝頭抱いて鎮まぬ青嵐
幸せを温めなおす五月かな
―秋―
千の菊抱きてあまりにも一人
りりりるり鈴虫まねてけんか終ゆ
―冬―
雪うさぎ今消えゆきし身を抱き
酉の市ちがう男の手も温し
平成の句姫、みよこの初句集を連載にてお届けします。
暮れの秋渇きし心いかにせむ
揺るぎなく赤い南天うらやまし
誰が為にそこまで燃えし曼殊沙華