人材(Staff)

組織の活動モデルは多様である。すべて人の力を借りずに活動が成立するのであれば、人材というもので悩むことは少ないだろう。しかしながら、人が主体となって活動を成立させているモデルにおいては、人材に関してエネルギーを注ぐことが重要である。言い方を変えると、人の持っているスキルや知識が重要なモデルであればあるほど、例えば、採用面接やオーディションのような場を設けて、自分たちのモデルが必要とする人材を求めることになる。

組織がより高い目標を達成するために、あるいは更に大規模な社会貢献を目指すことになると、組織に関わる人のパフォーマンスを上げたくなる。組織のサイズを大きくすることを考えることもある。サイズも拡大し個々のパフォーマンスも上げることができれば、更に好都合である。人材開発の目的は、人材の能力を向上させることにある。精鋭だけであれば、何も時間とお金を使って、人材開発なんてする必要もないと思われがちだが、精鋭ほど自分を更に磨きたい欲求が強く、様々な機会に貪欲である。

最近はグローバル人材という意味不明な言葉が一般化してきたようだ。私は、誤用されやすいモヤモヤ用語が増えただけで、本当の意味で一般化したとは思っていない。私が、海外の研究開発部門で働いていたときのエピソードであるが、彼らは自分たちがグローバルプレイヤーという自覚がほとんどない。日本企業が海外進出を考えるときは、「異文化コミュニケーションスキルが最も重要」ということを強調されることが多い。