そのために、現在野球部では、結果で叱ることをやめ、やろうとしていることを認め、「失敗OK」の雰囲気を作っています。子どもが三振したときに、「なんで打てないんだ馬鹿野郎!」なんて、外野で見ている他人でも言えることです。
まずバットが振れたことを褒め、どうしたら次は打てるのかを教えたり、一緒に考えたりするのが、私の仕事です。入部してくる子の中には、野球が上手ではない子もたくさんいます。そういう子が上達し、活躍するには、なかなか時間がかかります。
本人は悔しい思いをしますが、好きだからこそ、乗り越えることができるのです。彼らに困難を乗り越える力を身につけさせるために、教師としてできることは、「正しい努力の方法」を教えることです。
教師は、その子の成長を願って熱心に競技について勉強をする必要があります。また、「小さな成功体験を積み重ねさせる」ことや「結果ではなく過程を褒め、過程に寄り添う」ということも大切です。
今私は、部活動の時間が楽しいです。グラウンドに出ると、大きな声と笑顔で「こんちわーーー」と言って輝く子どもたちの顔があります。やはり子どもは夢中になった時が一番輝いています。
また、近年私は地元で、指導者講習会を開催しています。これは、若手教師や野球未経験の教師が増えたということもあり、野球の技術や指導方法を学びあう会です。志を同じくする市内の野球部顧問の先生方が私を支えてくれます。
野球をはじめる子どもが減少しているという野球界の現状を嘆いているだけでなく、子どもが野球を楽しむことができる環境を作りたいからです。