相手が2通りのパターンであなたの行動に対して評価を下すのに対し、あなたは意識した行動だったか、そうでなかったかの2通りのパターンが考えられるので、つまり2×2の4つのエリアができることになる。ジョハリの窓という便利な考え方の単なる応用である。
更に、何らかの目的があって行動することが前提にあるので、相手とあなたそれぞれに興味がある、興味がないという2×2の4つのエリアがその前のステップに存在することになる。
こういうツールを使うことで、なぜ自分は他人から評価されていないのか? 自分のことを理解してもらう行動が足りているのか? を客観的に捉えやすくなる。
普段多くの人が耳にするリーダーシップとは、自ら意識的に発揮する場面であることを認識した上でリーダーシップ行動を取り、その行動を見た他人がポジティブな影響を想像するという構図である。
別に何発リーダーシップを発揮してもらっても構わないが、せいぜい人が見てリーダーシップと感じるのは、1つか2つである。そんなことで人の印象は作られている。
同じ人間ではないし、同じ行動基準と裏側にある価値観も違うのだ。
リーダーシップスタイルというのが研究されているが、私は大きな集団の説明をわざわざ個である自分にあてはめる必要は全くないのだと思う。誰でもリーダーシップを発揮する機会があった方が良い。
管理職には、現場のリーダーとして、チームメンバーが自発的に組織を良い方向に進めるための行動を取りやすい雰囲気や環境作りにエネルギーを注いでほしいと思う。
すべてのメンバーに、組織の目的達成のために自分の正しいと思う行動を取ってほしいと思ったら、「リーダーシップ」を別の用語に置き換えてみると良い。
例えば、あなたが唯一無二の専門家ならば「エキスパートシップ」を発揮してほしい。
家庭ではどうであろうか。面倒な話は先送りで、ほとんど話をしない。後で問題が大きくなるという事例をたくさん見ているのではないだろうか。子供の教育や親の介護、相続、それだけではない。親が高齢になれば、医療費や住む場所など、色々考える場面は増えてくる。
家族以外には関わらせたくない話である。いや、関わりたくない話である。家庭だって、あなたがリーダーとなるべき機会はたくさんあるはずで、目指すべき方向に進めるために行動する大事な場所である。