猫座敷の裁判
その姿の恐ろしさに自分も知らず知らずのうちに叫んでいた。
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「うあああー」
ぱったりと動きがとまってしばらくしてむっくりと起き上がった。
「お騒がせしました。ときどき発作が起きるんですよ、なんせ大脳から直接アルコールを摂取しているんですからねぇー。あ、なんだったら少しお飲みになりますかぁー? ドンペリゴールドですよぉ~」
頭を少し斜めにしたので慌てて言った。
「いや、大丈夫です。それよりなぜそんなことになったんです?」
「私のことはいいでしょうー。それよりも納得していただけましたかぁ~」
「まあ、おおまかに」
「それではこの場所の説明をいたしますが、ここはいわば試験的な特設会場ですぅ」
「はあ、特設会場?」
「そうですよ、そして私は受付嬢ですぅ~」
「なんであなたはここにいるんですか?」
「さあ、なんでかはわかりませんが理由があるとすれば多分ですね、私が天才だった、ということと、このひどい死にざまの、恩赦的なものと思われますね」
「なんですか天才って、話が繋がっていないでしょ」
「少々時間がかかるかもしれませんがいいですかぁ」
「いいです、時間制限はないんでしょ?」
「ではお話しますぅ、口を挟まず黙ってお聞きください、質問は後でまとめてください」
メタタアコが話し出した。
「天才と言ってもカテゴリーがあります。例えばニュートンが林檎が落ちるのを見て万有引力を発見したのはご存じですよね? それで、彼は近代科学の父などと呼ばれるようになりました。でももし彼が文学的な天才だったらなにか詩を書いたかもしれないし、芸術の天才だったら美しい風景画を描いたでしょうねぇ」
「あの、ニュートンと何の関係が?」
メタタアコが振り返ってキッと自分をにらんだ。
「口を挟まないでください」
「はい」
うなずくしかない。ここはとにかく話を聞こう、それしか手はない。