女の子は、少しだけ大きくなりました。秋空の下、バス停に座ってお迎えのおばあちゃんを待っていると、キラキラの空と雲を見つけます。どこまでも続くキラキラだったから、なんだか、遠くの町まで一人でも行けるような気がして、思わず走り出します。
「大丈夫!」長い距離を、楽しく走りました。小鳥や虫や花も、キラキラです!
そしたら、いつの間にか家に着いていて、心配したお母さんには怒られましたが、おばあちゃんは「一人で帰ってきてすごいね」と褒(ほ)めてくれました。
おばあちゃんと女の子の間を、キラキラとした幸せの風が吹(ふ)き抜けてゆきました。
女の子は更(さら)に大きくなります。
学校で、お友達と一緒にキラキラの小石を見つけると、ワクワクしてその小石を隠し二人だけの秘密にしました。そんな瞬間は嬉(うれ)しくて、とても大切なものでした。
でも、女の子は一人ぼっちになることもありました。
そんな時、窓から見えた遠く広い夕焼けは、オレンジ色の大きなキラキラだったから、一人ぼっちでも、キラキラした世界はまだ何処かにあるはずだと信じることができました。
女の子はずいぶん大きくなり、大人の世界があることを知ります。
「大人の世界には、キラキラってあるのかな?」
怖くなることもありましたが、見上げると広がる空の眩(まぶ)しいくらいのキラキラが大好きで、生きてるって幸せと思うことができました。
新しい友達もできました。
友達も何処かにキラキラしたものを隠しているような気がして、女の子は、嬉しくなったり励まされたりしました。だから、キラキラって大人の世界にもきっとあるんだと信じることができたのです。
それでも、女の子が大人になってゆく途中、喜びよりも悲しみでいっぱいになる時が多くなっていきます。
女の子は、久しぶりに夜空を見上げます。
夜空に浮かぶお月様は細い細い消えそうな三日月で、急に悲しくなりました。
周りにたくさんの人が居ても、心細くて寂(さび)しくて消えそうな気持ちになっていました。
次の日も、窓辺へ行き夜空を見上げます。
真っ暗…どこまでも続くような暗闇(くらやみ)。
女の子は自分自身まで暗闇に消えてしまいそうで、怖くて、心細くて、ギュッと毛布にくるまります。ずっと暗闇が続きそうで、涙が出ました。
「また、動けなくなってしまった…」
呟(つぶや)きながら、女の子はそのまま長い時間、眠(ねむ)っていたようです。