玄米は栄養の宝庫
次に医学常識について興味津々の記述がありますので掲載します。
私がこれまで述べてきたとおり、栄養の摂り方によって、人間は健康にもなれば病気にもなる。それぞれの個体差に合わせて正しい栄養を摂取していれば、脳をはじめとする病気を予防できるのみならず、体の老化も遅くすることができるのである。
それなのに、日本の医者はいまだに「栄養は栄養士」任せである。そして、栄養士はカロリー計算と、厚生省の指示に忠実にメニューを作ることに明け暮れている。さらに、医学の近代化を実現するためには、分子生物学との連携が絶対に欠かせない。
とかく学者というのは、古くからの縄張り意識を引きずって生きる動物である。だが、無意味な垣根はすぐにでも取り払うべきである。
分子生物学には分子生物学の専門家がいるわけだから、医学者にそのすべてをマスターしろとまでは言わない。だが、病気の仕組みを理解しようとするのであれば、そのアウトラインぐらいは把握しておくのが医学者の責任というものだろう。せめて、最先端の生命科学者による多大な成果に目を向け、耳を傾ける姿勢ぐらいは持たなければ、人の命を預かる仕事にたずさわる資格はない。
もちろん、世の中のすべての医者がそれを理解していないわけではない。私の友人に、本永英治(もとながえいじ)氏という医者がいる。彼は沖縄の離島にある診療所に赴任した際、私が提唱している分子生物学に基づいた栄養療法を採り入れた。その結果、それまでよりも診療の効果が上がるようになり、評判を聞きつけた患者がわざわざほかの島からも訪れるようになったという。