「公立は『オワコン』だ」なんて言わせない! 教育現場にはびこる不信、あきらめ、無関心。そして現場を無視した制度改革――。 社会が目指すべき学校教育とは? 現役教師が解説していきます。

いじめ編~子どもの幸せを破壊する学校の中の戦争~

いじめは本当に残酷です。子どもから「学校に通う権利」や「友達と仲よくする権利」を奪ってしまいます。笑顔も奪います。

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そしてなにより「幸せになる権利」を奪ってしまいます。子どもを幸せにするために、教師が絶対に目を背けてはいけない問題です。

学校の中では、誰もがいじめの被害者になりたくないと思っています。しかしいじめはなくなりません。なぜか。その原因の一つは、世の中が「いじめ」に溢れているからだと私は思います。

ニュースをつければ、問題を起こしてしまった芸能人をつるし上げ、その人とは関係のない人が寄ってたかって、再起不能になるまで批判しています。

それはまるで「相手に落ち度があれば、いじめは公認される」という雰囲気です。

SNSでは、他者への「思いやり」に欠けた人が、誰かの苦しむ様子を馬鹿にして笑っていたり、自分の名前が知られないのをよいことに、無責任な批判を言っていたりします(本来自由には責任がともなうものでしょう。匿名で批判して、都合が悪くなったら、投稿を削除することのどこに責任があるのでしょうか。「表現の自由」についてもう少し考えたいですね)。

この本質は「嫉妬」です。

嫉妬をする人間には、人を尊敬する心がありません。

嫉妬をする人間は、優れた人物を見たときに、自分を高めるのではなく、相手を引きずりおろします。

人を傷つけて喜んでいても、自分は少しも幸せになっていないばかりでなく、どんどん自分が惨めになっていることにも気づかずに。