ぼくの家族
ぼくの家に、ゲンキがやってきた。豆柴ふうの男の子。
どうして“ふう”かというと、目から口もとまでが長く、足も長いミックス犬だから。やんちゃざかり。歳は6か月くらい。
ぼくは、センパイの先住猫。もうすぐ3歳。
ゲンキは、新しい環境の中でのぼせているのか、はたまた、こわいもの知らずなのか、センパイにやたら近づいてくる。せわしないので、猫パンチを2発。
「キャイーン」と言ったけど、しばらくしたら、またちょっかいをかけてきた。わずらわしい。タンスに飛びあがって、じっとようすを見ることにした。
おとんも、おかんも、ぼくのことはそっちのけ。「ゲンキ、ゲンキ」と声をかける。抱いたり、からかったり。ぼくはその日から嫉妬の炎を燃やすようになった。
ゲンキは毎日、朝晩さんぽに出かける。ぼくは野良猫出身。だから外の景色を見たいけど、窓からしかのぞけない。ゲンキがうらやましいのだ。
いつも、さんぽの時間になると、「ワオーン」と吠えてねだる。朝はおとん、夜はおかんが連れていく。
ゲンキが帰ってくると、いろんなにおいがした。時々へんな物を食べてくる。くさった骨とかウンチとか。