いま
いま 私たちが当たり前に使っている電気製品
かあさんの若い頃はなにも無かった
電気がつき 冷蔵庫が入り 掃除機 洗濯機が
使えるようになったことを
かあさんは 贅沢な世の中になったと思ったことでしょう
でも その余った時間 より農業に時間をさいた
一日中ぼんやりと テレビをみて過ごすことができない人でした
かあさんの歌う姿を二度ほど見たことがある
歳より高い聲で民謡を歌っていた いきいき愉しそうに
老人クラブでも 皆で歌っていたのでしょう
大きな聲で かあさんに寄り添い
童謡を歌いたかった
私の長男が
私の長男が生まれたとき かあさんは六十歳でした
ニンジンの収穫の取り込みで忙しい中 いろんなことを助けてくれました
かあさんにとって四人目の孫でしたが
何度も長男を抱いて「めんこい」と言ってくれた
孫が二人になった私 孫はただただ めんこい
かあさんが抱いた孫も 今年三十八歳
あれから こんなにときがたつのですね