わが二十二歳の眸(まみ)の底ゆ必死。のかがやきの熄(や)まぬ。我れを照らしぬ
【平成三十年 2018年十二月五日、台所から玄関】
十二月
五日
かぎろひの 生駒の峰ゆ 吹きつくと 中津の沖の面の滾(たぎ)りたちきぬ
十二月
五日
冬されば 中津蘆原、赤錆びしいろに沈みぬ。白き鳥も見えず
十二月
五日
偉大なる都市はその真っ只中に巨いなる川を蔵している。
ニューヨーク・ハドソン、ロンドン・テムズ、カイロ・ナイル――。そしてここ大阪に滔々と流れる巨いなる川を、朝も昼も夜も眺め、睨み、心の叫びを歌に綴る男がいる。
言葉と現実。その関係を追い、ときに追われながら、男が吐き出した短歌の群れ。
商都・大阪を潤し、育ててきた淀川。この川に魅せられ、その姿をファインダーに捉え続ける男。彼は、日々姿を変える淀川を写し続けるとともに、思いの丈を短歌に込め、書き溜めてきた。
淀川の姿を、日常の小さな出来事を、そして最愛の母との別れを言葉に託し綴った短歌集を連載でお届けします。
わが二十二歳の眸(まみ)の底ゆ必死。のかがやきの熄(や)まぬ。我れを照らしぬ
【平成三十年 2018年十二月五日、台所から玄関】
十二月
五日
かぎろひの 生駒の峰ゆ 吹きつくと 中津の沖の面の滾(たぎ)りたちきぬ
十二月
五日
冬されば 中津蘆原、赤錆びしいろに沈みぬ。白き鳥も見えず
十二月
五日