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物と心の分離から、物と心の融合へ

人類の長い歴史の中で、不思議な時期があります。紀元前5世紀です。人類は猿から進化したといわれていますが、長い時間を経て、突如として人間の精神に目覚めた時期がこのころです。

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哲学者カール・ヤスパースによれば、

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「この時代には、驚くべき事件が集中的に起こった。シナでは孔子と老子が生まれ、シナ哲学のあらゆる方向が発生し、墨子や荘子や列子や、そのほか無数の人びとが思索した、インドではウパニシャッドが発生し、仏陀が生まれ…ギリシャではホメロスや哲学者たち。パルメニデス、ヘラクレイトス、プラトン、更に悲劇詩人たちや、トゥキュディディスおよびアルキメデスが現れた。…シナ、インドおよび西洋において、どれもが相互に知り合うことなく、ほぼ同時的にこの数世紀間のうちに発生したのである」
(出典:「ワイド版世界の大思想ヤスパース」河出書房新社)

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ヤスパースはこの時代を枢軸時代と名付けました。人類の歴史現象のはじまりが7万年前といわれています。その長い歴史の中で、この百年間で偉人が出る確率は0・14%しかありません。

神の配剤として猿人に人間の精神が吹き込まれたと思わざるを得ない現象です。西洋哲学はソクラテス、プラトンに、東洋哲学では釈迦、孔子にその源流があるといわれます。つまり、人間として生きていく上での精神的骨格はほぼこの時期にできあがっているのです。