京城(seoul)
地図上の3つを直線で結んでみました。大きな三角形になっているのがわかります。
大正5年(1916年)建設が始まった朝鮮総督府新庁舎。大正9年(1920年)京城の最も高い「南山」で工事が開始された朝鮮神宮と、祖父靖国が送り込まれた京城駅(工事は大正10年から着工)。李王垠殿下と梨本宮方子さまとの婚約が発表された、大正5年以降に工事が始まったこの3つの施設がつくり出したものは、次のものになります。
近年では「夏の大三角形」と呼ばれるこの3つの星ベガ(こと座)、アルタイル(わし座)、デネブ(白鳥座)が直線で結ばれることによってつくり出す大きな三角形。
ベガは織姫星、アルタイルは彦星と呼ばれ、「天帝の娘織女(しょくじょ:織姫)と牽牛(けんぎゅう:牛飼いの彦星)の夫婦が愛深きゆえに仕事をおこたり、天帝の怒りをかい別れ別れになる。そして反省ののち、その仕事ぶりを認められ再び会うことを天帝に許され、天漢(天の川)にかかる橋を渡り再び出会う」
夏の夜空を飾り世界各地に似たような話(ギリシャ神話のゼウス神と姉でもあり妻でもある女神ヘラのミルキーウェイ伝説)が伝わる「七夕伝説」。その伝説とそれを祝う行事は、日本や中国、韓国にも伝わり、各地にいろいろな形として残っていました。
この七夕の三角形を、わざわざ朝鮮半島の京城に再現したのか。星に見立てられた京城駅、朝鮮総督府、朝鮮神宮。この3つの施設がどういう意味を持っていたのかを、順に説明していきます。