第四章 実際の教育活動の中で輝く「教育哲学」
(1)勉強編~子どもはなんのために学ぶのか~
子どもとの信頼関係を積み重ねていく土台ができたら、それぞれの場面で、具体的に「教育哲学」を発揮することが大切です。ここからは、学校の中のよくある場面で、「なんのため」とか「そもそも……」を、みなさんと考えていきたいと思います。
まずは勉強編です。そもそも勉強とはなんでしょう。
それは人が幸せに生きるために、自分の生活を充実させ、他者にも貢献できるようになるために必要なものです。そして勉強とは、今まで知らなかったことを追究することであり、本来はとても楽しいものです。
私の息子はまだ6歳ですが、ひらがなが上手に書けたり、足し算ができるようになったり、英語を話したり、ポケモンの名前をたくさん覚えることができるたびに大喜びしています。幼いうちは、自分の興味をもったことや新しいことに対して好奇心をもって追究し、それがわかったという喜びを感じることの連続です。
現場ではどうでしょう
中学生に「勉強好きな人?」と聞くと、当然手を挙げる人はほとんどいません。なぜ小さい頃はあんなに楽しかった勉強が楽しくなくなるのか。